福祉住環境コーディネーターは2003年にできたばかりの新しい資格です。
認知度はまだ低いですが、高齢化が進む社会の中で需要が増加するといわれている資格のひとつです。
介護業界から異業界への転職を考えている方にもおすすめですし、介護業界で働こうと考えている方にもオススメの資格になるので、興味がある方はこのペエージを参考にしてみてください!
このページでは、福祉住環境コーディネーターの仕事内容や年収から資格の取得難易度まで幅広く解説していきます。
目次
福祉住環境コーディネーターはどんな資格?
福祉住環境コーディネーターとは高齢者や障害を持っている方が安全に、自立した生活を送れるような環境を整備する調整をする人のことを示します。
福祉、医療、建築についての幅広い知識や各部門の専門の人と連帯を取りながら高齢者に住みやすい環境を提案するアドバイザーです!
福祉住環境コーディーネーターの仕事内容とは?
福祉住環境コーディネーターの仕事内容は、高齢者が住みやすい住まいの提案です。
そのため、勤務先は新築で家を立てようと考えている方やリフォームやリノベーションを考えている方が訪れる建築会社や介護施設になります。
建築会社では、顧客の要望に沿った家を一緒に考えたり提案するのが主な仕事になります。
介護施設に勤務した場合、利用者の方により快適に施設を使っていただくための施設のリフォーム・リノベーションの提案も介護職員目線からだけでなく専門家としていえます。
車椅子や介護ベットを始めとした福祉用具や日常的に使う介護用品などの改善・導入の提案など、今まで以上に広い視点から介護施設を見ることも可能です。
どのような職種の人が取るの?
福祉住環境コーディネーターの資格を取る人は建築関係に務めるかたから介護職員まで幅広く取得しています。
- 建築士
- 福祉専門相談員
- 社会福祉士
福祉住環境コーディネーターは、まだ出来たばかりの資格で社会的認知度も低いため、他の介護資格や建築資格と同時に所有することが多いです。
福祉住環境コーディネーターの取得方法を徹底解説!
福祉住環境コーディネーターは、上記の仕事内容を見ても分かるように高齢者の身の回りのお世話をする介護資格とは若干異なる資格です。
身の回りのお世話をする介護資格の場合は、講義を受けて実習をおこない資格を取得できるパターンが多いですが、福祉住環境コーディーネーターはどうなのでしょうか。
資格を取得するためには試験に合格しなければならない!
福祉住環境コーディネーターは東京商工会議所が認定する民間資格なので、東京商工会議所が定める試験に合格することで取得できます。
指定された資格スクールに通う必要もないので、自分のやる気次第で勉強できれば、短時間での取得も可能です。
しかし民間資格とはいえ、ケアマネジャーと作業療法士しか認められていなかった住宅改修を必要とする理由書の作成を認められている数少ない資格なので難易度もそれなりに高くなります。
試験内容は級ごとに異なる!
福祉住環境コーディネーターは3級からスタートし1級まであります。
当然のことですが、1級に近づくに連れて試験の内容も難しくなり、合格率も下がります。
各級ごとの出題範囲や試験難易度は後述しますが、3級は基本的なことばかりなのであまり気構えなくても大丈夫です!
各級ごとの出題範囲と難易度を紹介!
福祉住環境コーディネーターは、学歴・年齢・性別による受験の制限はありません。
2・3級を同時に受ける併願受験や3級を飛ばして2級を受けることができます。
しかし1級を受験する際は、2級を取得していなければ受験することができません。
福祉住環境コーディネーター3級
- 少子高齢化社会と共生社会への道
- 福祉住環境整備の重要性、必要性
- 在宅生活の維持とケアサービス
- 高齢者の健康と自立
- 障害者が生活の不自由を克服する道
- バリアフリーとユニバーサルデザインを考える
- 生活を支える様々な用具
- 住まい整備のための基本技術
- 生活行為に見る安全、安心、快適な住まい
- ライフスタイルの多様化と住まい
- 安心できる住生活
- 安心して暮らせるまちづくり
福祉住環境コーディネーターの出題内容は上記の12点です!
試験は7月と11月の年に2回実施され、合格点数は70点以上です。
3級の試験はカンタン?
3級の試験方法は、マークシート方式で4つの解答の中から、最も正しいものを選択する形になっています。
受験資格も特に設けられておらず、合格率も65%程度と比較的易しめの入門資格としては最適な資格といえます。
出題問題も基本的にはテキストの内容が多く、応用問題は比較的少なめとなっているので、後述する1級・2級と比べて試験の内容は簡単といえるでしょう。
3級を確実に合格するための勉強法を解説!
3級は福祉分野の基礎となる法律やユニバーサルデザイン、住まい環境、福祉用具が主体となります。
内容としては、福祉住環境コーディネーターの基本的なことが中心となるので、テキストの内容をよく理解しなければなりません。
知らない部分をただ単に暗記するのではなく、よくテキストを読み意味をしっかり理解しましょう。
福祉住環境コーディネーター2級
- 高齢者、障害者を取り巻く社会状況と住環境
- 福祉住環境コーディネーターの役割と機能
- 障害者の捉え方
- リハビリテーションと自立支援
- 高齢者、障害者の心身の特性
- 在宅介護での自立支援のあり方
- 高齢者に多い疾患別に見た福祉住環境整備
- 障害別に見た福祉住環境整備
- 福祉住環境整備とケアマネジメント
- 福祉住環境整備のススメ方
- 福祉住環境整備関連職への理解と連帯
- 相談援助の実践的な進め方
- 福祉住環境整備の共通基本技術
- 生活行為別福祉住環境整備の手法
- 福祉住環境整備の実践に必要な基礎知識
- 福祉用具の意味と適用
- 生活行為別にみた福祉用具の活用
福祉住環境コーディネーター2級の出題範囲は上記の17点です!
3級と同様に年に2回試験を実施し、70点以上の点数で合格となります。
2級の試験はやや難しい?
福祉住環境コーディーネーター2級の合格率は約40%となっていますが、合格の変動が激しいです。
7割の人が合格する年もあれば、4割の人しか合格しない年もありました。
年によって難易度が変わる傾向にあるみたいです。
2級に合格する勉強法を解説
3級で学んだ基礎をに応用を加えた学習内容になるので法律なども詳しく学習する必要があります。
専門用語に加え、実際の実例をもとにした知識を深めましょう。
高齢者福祉や障害者福祉に関しても病名などの学習するのでそれぞれの病気の特徴も理解することが合格への近道になります。更に相談業務も学習します。
援助の進め方、環境整備の順序からフォローアップまで学習します。
3級と問題形式は同じですが難易度が格段に上がりますので用語や特徴など一つ一つ理解しましょう。
福祉住環境コーディネーター1級
- これからの社会に求められる福祉住環境整備
- 福祉住環境コーディネーター1級の目標と役割
- 地域福祉の推進、福祉コミュニティづくり
- 地域で支える高齢者ケア
- 地域で支える障害者ケア
- ユニバーサルデザインの概念及び沿革
- ユニバーサルデザイン環境の整備手法
- 高齢者、要介護者向け住宅・施設の流れ
- 高齢者住宅、施設の種類と機能
- 障害者向け住宅及び施設の種類と機能
- 福祉住環境のコーディネートの実際
福祉住環境コーディーネーターの出題範囲は上記の計12点です。
試験は年に1回11月のみとなっています。
1級の試験は難しい?
福祉住環境コーディネーター1級の試験は、2・3級とは出題形式が少し変わります。
2・3級はマークシートのみでしたが、1級はマークシートの選択問題に加えて記述が加わります。
合格率は約6%とかなり低く、より専門性の高い知識が必要です。
1級に合格するための勉強法を解説!
1級は2級の内容のさらに応用です。
歴史、法律、福祉分野、障害者分野喉の用語も2級以上に深く理解する必要があります。
特に、福祉分野・建築分野は専門的な用語も多くなり、学習範囲がかなり広いです。
建築に関する寸法の暗記、平面図をしっかり読み取れるまでしっかり暗記しましょう。
また、記述問題への対策もしなければなりません。
内容を正確に理解し、自分で考える応用力も求められているので、勉強の期間など計画的に勉強することが大切です。
福祉住環境コーディネーターを取得するなら学校に通わきゃダメ?
福祉住環境コーディネーターの学習方法としては、下記の3つです。
- 通信教育
- 通学で勉強
- 独学
コストや時間面で見ると、独学で試験の対策をするほうが魅力的に思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、資格スクールや通信講座を利用することで、内容をしっかり理解し合格への近道になるので、よく考えてから選ぶようになるのでしましょう。
独学でも取得可能!
福祉住環境コーディネーターの資格を取るために書店でテキストを買い独学する方法もあります。
独学のメリットは完全に自分のペースで勉強ができたり、費用ももテキスト代だけなので1万程度と他の2つと比べて安いところです。
働きながら福祉住環境コーディネーターを取得しようと考えている方には、独学での勉強を考えていおるかも多いのではないでしょうか。
3級は内容も基本的な部分が多く、テキストも比較的簡単で分かりやすものが多いため、独学でもしっかり勉強すれば試験に合格できる可能性は十分あります。
しかし、2級・1級と内容が高度なものになると一人での勉強は厳しいです。
資格スクールへの入学や通信講座の受講をおすすめします。
資格学校に通うメリットを解説!
通信教育
通信教育は独学での勉強と同様に自分で勉強を進めていきます。
費用は5万円程度かかってしまうので、独学で勉強をするのに比べると若干割高に感じてしまうかもしれません。
しかし、これまでの試験の内容を踏まえたのテキストを使用しているので、より効率的に勉強を進められます。
自分のペースも保てるところもいい点です。
要点を絞って勉強できるので、限られた時間の中で合格する可能性を最大限に高めることができます。
通学
資格スクールへの通学を考えの方は、まずお住まいの地域に通いやすいスクールがあるか確認する必要があります。
資格スクールへの通学は、3万円から4万円の費用がかかってしまいますが、ちゃんんと知識のある講師にわかりやすく教えてもらえるので、不安無く試験に望めます。
また、通学の場合自分で勉強し分からないところがあればすぐに聞けるのも大きなメリットだと思います。
疑問点をすぐに解消できるので通信教育よりも早く内容を理解することができます。
福祉住環境コーディネーター取得後に活躍できる場所は?
福祉住環境コーディネーター2級以上を持っていると介護保険を利用して住宅改修を行ったときの必要な書類の「住宅改修が必要な理由」を作成できるようになります。
そのため資格を取得すると働ける業界や職場の範囲が大きく広がります。
実務レベルでは2級を取得していれば大丈夫です。
しかし資格習得に関しては建築業界と福祉介護業界ではメリットが少し違うみたいです。
建築業界からのメリット
近年リフォームしたりする高齢者の方が増えているらしいです。
福祉住環境コーディネーターを持つことによって周りの人達からそういうリフォームの仕事が来た時に活躍できます。
高齢者は住宅の作りによって行動の制限が少なからずあります。
福祉住環境コーディネーターはそういったところに配慮し提案できるので、リノーベーションやリフォームに力を入れている建築会社やバリアフリーな物件を取り扱う不動産会社での就職もしやすくなるでしょう。
福祉介護業界からのメリット
住宅を新築・改築する場合「この人達はどのような住環境が必要でどうすれば希望通りのものが実現できるか」を第一に考えます。
その時に福祉住環境コーディネーターの資格を持っていれば、その知識を照らし合わせ計画できます。
実際に資格を取得した人も、プランを提案する際に深みがでると感じる人が多いようです。
利用者のリハビリプランを立てる時階段の高さや廊下の広さなど考え、アドバイスができるので、一般的な介護職員とは違った視点から介護に携わることができます。
福祉住環境コーディネーターはまだ認知度が低い資格なので、資格手当や就職・転職でのメリットはほとんどないようです。
しかし合格者からは「役に立つオススメ資格」ととてもいい評価を得ています。
これは福祉住環境コーディネーターの勉強をしていく中で得た知識が、利用者へ提供するサービスにしっかり反映している結果といえます。
そのため今後更にニーズが拡大する資格になっていくでしょう。
福祉住環境コーディネーターの給料は?
年代 | 月収 |
20代 | 20万 |
30代 | 24万 |
40代 | 27万 |
福祉住環境コーディネーターの年収にすると、350万くらいになります。
まだあまり認知されていないので、年収はそれほど高くありません。
また福祉住環境コーディネーターで専任する人も少ないのも原因の1つです。
しかし今後需要は増えることが予想されるので、それに応じて年収も上がるこでしょう。
福祉住環境コーディネーターの将来性
ここまで福祉住環境コーディネーターの仕事内容や資格の取得方法など說明してきました。
ここまでを見ても福祉住環境コーディネーターは将来必要になる資格になっていくる資格といえます。
2025年には、人口の20%が後期高齢者になり介護業界・葬儀業界の職員は倍増するといわれています。
それに伴い、介護施設・高齢者向けの住宅のニーズも倍増することが予想されます。
福祉住環境コーディネーターはまだできたばかりで歴史が浅い資格ですが、福祉や建築の現場におけるニーズはとても高いといえます。
現在は、認知度も低く福祉住環境コーディネーターだけで仕事をしている人はほとんどいませんが、数年後には福祉住環境コーディネーターを専任する人も出てくるでしょう。
将来必要になる資格の1つ!
前記した通り将来福祉住環境コーディネーターは必要な資格になっていくといいましたがそれに気付いている人も多くいるのが現状です。
しかし2級まで持っていれば住宅環境整備の実務上は足りてしますので2級まででいいやという人が多いようです。
そのためこの分野の専門家は少ないといっても過言ではありません。
そのため、福祉住環境コーディネーターとして活躍するのは1級を持つことで、専門家として活躍の場は更に広がります。
参考書も少ないので自分がその分野での先駆になることだって可能です。
例えば福祉住環境コーディネーター専門のスクールを作ったりと可能です。