ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護を必要としている側と、介護サービスを提供する側(事業所・施設)の仲介をする役割を担う仕事をしている人のことです。
高齢化が急速に進む日本の現代社会で需要が非常に高まっており、活躍の場も広がっています。
そんなケアマネージャーですが、資格の制度は2018年から変更されています。
その変更点もふまえて、ケアマネージャーの資格について詳しく見ていきたいと思います。
目次
ケアマネージャーの資格とは
ケアマネージャーとは前述したように、介護を必要としている側と介護サービスを提供する側の間をとりもつ役割を担っています。
具体的には介護サービスの計画を立てるプランナー的な役割を果たし、介護サービスのトータルコーディネートを行います。
ケアマネージャーになるためには、各都道府県で年1回実施されている「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネージャー試験)」での合格と、実務研修修了後の各都道府県への登録が必要です。
2000年の介護保険制度導入とともに創設された、各都道府県知事の登録が必要な公的資格です。
細かく受験資格の条件が定められていたり、豊富な経験・高齢者介護に必要な知識・介護保険関連の法律や制度への知識が求められたりと、難易度は比較的高いものになっています。
ケアマネージャーの受験資格は?
ここ数年、ケアマネージャーの資格試験の制度が見直され、2015年度からは免除科目制度が廃止、2018年度からは受験の資格自体に変更が設けられました。
受験資格の変更は非常に重要なので、以下で詳しく述べていきます。
ケアマネージャーの受験資格は、「特定の国家資格を保有している人」「介護施設などで相談援助業務などに従事した経験がある人」のいずれかを満たしている方です。
特定の国家資格を保有している人
特定の国家資格は以下になります。
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 視能訓練士
- 義肢装具士
- 歯科衛生士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧士
- はり師
- きゅう師
- 柔道整復師
- 栄養士
- 管理栄養士
- 精神保健福祉士
これらの国家資格に基づいた実務経験が通算5年以上、従事日数が900日以上であることが受験資格となります。
介護施設などで相談援助業務に従事した経験がある人
上に挙げたような国家資格を保有していなくても、生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員のいずれかの業務を通算5年以上経験しており、900日以上の従事日数があれば受験の資格を得ることになります。
しかし各都道府県によって多少の違いがあるため、受験資格の詳細に関しては受験地となる都道府県の担当部署に確認するようにしましょう。
条件は試験前日までに満たせば受験資格を得られる
「実務経験5年以上」というような上記のような条件は、注釈すると「通算計算で5年以上であり、かつその業務に従事した日数が900日以上であること」になります。
この実務経験は試験の前日までカウントすることができます。
試験の申込みの際に実務経験の年数が足りていなくても、「実務経験見込証明書」というものを提出すれば受験資格を得ることができます。
ただし注意が必要なのが、研究業務・教育業務・事務・営業などの業種はカウントに入れることができません。
この点をしっかりふまえて自分に受験資格があるのか検討しましょう。
受験資格に年齢制限はありません。
実際にケアマネージャーとして働いている方の年齢は、40代以上が全体の70%も占めています。
年齢を重ねてからでも十分にチャレンジできる資格となっています。
ケアマネージャー資格の試験内容
ケアマネージャーの試験はほとんどの地域でマークシート方式が導入されていて、5つの選択肢から複数回答する形式となっています。
試験時間は基本的には120分間です。問題数は合計60問です。
「介護支援分野」から介護保険制度関連の問題で25問、「保健医療福祉サービス分野」から基礎が15問、福祉サービスの知識が15問、総合が5問の計35問が出題されます。
合格ラインは、問題の難易度により毎年補正されていますが、基本的には各分野の正答率70%程度が求められます。この数字を目標にするとよいでしょう。
ケアマネージャー試験に合格するには?
先程も申し上げた通り、ケアマネージャー資格の試験は比較的難易度は高くなっています。
また毎年難易度にも変動があるため、合格ライン・合格率も年によって違います。
そのようなケアマネージャー資格の試験を突破するには、得点源となる問題を確実に正解できるようになることが重要です。
他にも用語をしっかり理解しておく、問題文を正確に読み取れるようになるなど、とにかく基本的な部分をしっかり抑えていくことが必要でしょう。
まとめ
以上、ケアマネージャーの受験資格と試験の概要について解説してきました。受験資格を得る条件が厳しく、難易度も高いため決して簡単に取得できる資格ではありませんが、高齢者の生活を支えていく重要な仕事です。
そのぶんやりがいや達成感もあります。介護への熱意にあふれている方はぜひ、介護業界のなかでも上位の資格といえるケアマネージャーの資格取得に挑戦してみてください。