福祉用具貸与業という仕事が存在します。
この記事を開いていただいた方には、この仕事がどういうものかということはご存知の通りでしょう。
しかし今一度確認のため説明させていただきます。
福祉用具貸与業とは、福祉用具専門員による福祉用具をレンタルすることです。
車いすや手すり・移動用リフト・歩行器・自動排泄処理装置など購入するには高価なものを一時的にレンタルできるサービスです。
この用具のレンタルは介護保険の対象なので、1割の自己負担です。
以上の理由と日本の高齢化に伴い、職業的需要は増え続けています。
そういった中で、独立を考える福祉用具専門員の方は多いのではないのでしょうか。
そこで独立するために何が必要なのかまとめてみました。
目次
福祉用具専門相談員で独立!指定住宅介護視線事業者になるために必要なこと
指定住宅介護支援事業者になるために1
この業務を行う上で必要なこととして、まず介護保険の適用を必要とします。
そのために必要なことは「指定住宅介護支援事業者」にならなければなりません。
ここでは「指定住宅介護支援事業者」になるために必要なことを話したいと思います。
まず、申請者の法人化です。
法人とは会社組織のことで、株式会社、NPO法人、社会福祉法人といったもの等が含まれます。
新しく福祉用具専門員の方が独立を考えるのであれば、会社(法人)が必要となります。
もしすでに会社を所有しているのならば、「定款の事業目的」や「登記簿に記載される事業目的」を確認する必要があります。
そこに「介護保険に基づく福祉用具貸与事業及び販売事業」などの「介護保険を利用して福祉用具貸与事業及び販売事業をする旨」が必要であり、記載がない場合は定款の変更が必要です。
指定住宅介護支援事業者になるために2
2つめの条件です。
福祉用具レンタル業において、必要な定員が定められています。
まず専従で常勤の方を1名、管理者としておく必要があります。
この管理者に必要な条件は特にないですが、素質的に従業員への指示や業務管理をスムーズに行うことのできる人材であるべきです。
また、後述する福祉用具専門相談員とも兼任することが可能となっています。
つぎにさきほど述べた、福祉用具専門相談員についてです。
以下の資格を有する者を常勤換算方法で2名以上配置しなければなりません。
- 介護福祉士
- 義肢装具士
- 保健師
- 看護師
- 准看護師
- 社会福祉士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 介護職員基礎研修修了者
- 介護員養成研修1級または2級課程修了者
福祉用具専門相談員指定講習の修了者であること
都道府県知事が認可した介護福祉用具専門員の講習を受けた者
指定住宅介護支援事業者になるために3
最後の条件として、設備に関する条件です。その条件とは以下の通りです。
- 事業運営のために必要な広さの専門的な区画を設置することです。
- 会話内容が外部に漏洩しないように、相談室として区切られたスペースが必要になります。
- もちろんですが、福祉用具の保管をしておくために設備や機材が必要になります。
- 最後に清潔であることです。
全てのものが消毒できているかしっかり管理することが必要です。
また、保管や消毒を他の専門の事業者に委託する場合、そのための機材や設備がなくても問題ありません。
介護福祉貸与業における注意
ここでは介護福祉貸与業における注意点を述べたいと思います。
1つ目に介護福祉用具の制限についてです。
2006年4月より、軽度者の介護福祉用具の貸与の制限がかかりました。
しかし2007年に規制緩和されたものの、2014年において原則、軽度者に対して「車いす」や「特殊寝台」などのものは介護保険で貸与できません。ただし例外もあります。
主治医やサービス担当者の適切な意見やアセスメントに基づき、ケアマネジメントにおける必要性があると見なされた品目に限り、例外的に介護用品レンタルが認められる場合です。
次に指定住宅介護支援事業者に関連した注意事項です。
それは事務所の賃貸借契約は個人ではなく、法人名義で行うようにしましょう。
そして、使用の目的も事務所である必要があり、その目的が住宅等になっている場合は所有者に承諾書をいただくか、契約書の訂正を行ってもらわなければなりません。
独立後、事業を軌道に乗せるために
福祉用具専門員による貸与業は、介護保険適用事業であることから参入障壁が低く、競争が激しいです。そういった中でどのように自社を軌道に乗せるのか。それは以下の福祉用具のレンタルの流れを見ていただくとおわかり頂けます。
福祉用具の貸与の流れは以下です。
- 利用者からケアマネージャーに相談と申し込み
- ケアマネージャーが利用者の希望・状況を把握する
- 介護用品を納品し、利用者に合わせて調整と説明
- 重要事項説明書による説明と同意、そして契約の締結
見て頂くと分かる通り、ケアマネージャーの重要性が顕著であります。
ケアマネージャーとの連携や双方の継続的な信頼関係がこの事業における重要な要素だと考えます。