福祉用具専門相談員とは何でしょうか。
福祉用具専門相談員とは高齢者の方が福祉用具を利用するときにその人に合った福祉用具を選んだり利用の補助をする資格です。
この資格を取るためには五十時間の講習を受け、さらに筆記の試験を受けることで取得可能です。
受講するための資格は無く、誰でも受講できる資格です。
介護保険の指定福祉用具貸与・販売事業所において、常勤で二名以上の福祉用具専門相談員の配置が義務化されており、福祉用具に関する就職を希望している人なら持っていて損のない福祉用具専門相談員の資格を細かく紹介していきます。
福祉用具専門相談員の資格概要
資格を取るためには五十時間の講習を受け、さらに筆記の試験を受ける必要があります。
講習で学習する内容は福祉用具専門相談員の役割、介護保険制度などに関する基礎的な知識、高齢者と介護医療に関係する知識、福祉用具の知識や技術、福祉用具サービス計画を学習します。
詳しくは以下の通りです。
- 福祉用具と福祉用具専門相談員の役割(2h)
- 介護保険制度等についての基礎知識(4h)
- 高齢者と介護・医療についての基礎的な知識(16h)
- 福祉用具に関しての知識・技術(16h)
- 福祉用具に関するサービスの仕組みと利用支援に関する知識(7h)
- 福祉用具の利用の支援についての総合演習(5h)
試験の合格率は100%近くであり、難易度は低いと言えるでしょう。
講習は5~7日間の短期間で行われ、忙しい人でも時間を作って受講が可能です。
気になる費用は4~5万円程度です。
安いところでは3万円台なんてところもあり、比較的安価な費用で取得することができます。
福祉用具専門相談員の講習は全国で開催されており、近くの機関は都道府県のホームページで調べることができます。
福祉用具専門相談員の年収
職場や地域によって差はありますが介護の事務や職員の年収とほぼ同じです。
280万~350万円が福祉用具専門相談員の年収の相場です。
介護の業界では収入の低さや待遇などの理由から、早期離職をしてしまう人も少なくないです。
しかし介護業界では専門的な知識やスキルを持つ人間が必要不可欠となります。
最近では基本給を上げ、福利厚生を充実させ、より良い職場環境作りに取り組む事業所が増えてきています。
全国的にみると比較的関東と関西が高く、東北や九州がやや低めとなっています。
また、福祉用具専門の企業、大手企業の介護施設で働くと年収は高くなります。
さらにシルバーマーク指定事業所での福祉用具専門相談員はレベルの高い演習を行うので収入は高くなります。
また、看護師や介護福祉士などの資格を保有しながら福祉用具専門相談員として働いた場合も収入面はよくなるでしょう。
福祉用具専門相談員の将来性
福祉用具専門相談員の需要は今とても高くなっています。
高齢社会になってきている日本では、自宅で介護を受けながら生活している高齢者はたくさんいます。
介護を必要としている人に限らず、介護をする側にとって、福祉用具を利用することは大きな意味があります。
しかし、福祉用具をただ使用すればいいというわけではありません。
介護を必要とする方のニーズに合った福祉用具を正しく選ばれなくては意味がありません。
そうならぬように福祉用具専門相談員は、利用者の状態などを考慮し、数ある福祉用具の中からを正しく選び、調整するという役割があります。
車椅子一つとっても、色々なタイプがあり、どの車椅子がその方にとってより良いものかという事などを、専門的知識と見解から選定します。
よって福祉用具専門相談員の需要はとても高くなってきています。
どんな施設で働けるの?
福祉用具とは、車いす、トイレの手すり、介護用ベッド、床ずれ防止器具などの高齢者や障害者の生活を支援するもの全般を指します。
これらの福祉用具のレンタルサービスおよび販売する会社には、事業所ごとに二名以上の福祉用具専門相談員を配置しなければならない規則になっています。
このことからも分かるように、福祉用具に関する専門的な知識と的確な助言ができる福祉用具専門相談員は、いなくてはならない重要な業種です。
- 福祉用具販売店およびレンタル店
- ドラックストアー
- ホームセンター
- スーパーマーケット
- 介護福祉用品コーナー
- 介護福祉用品売り場
- 生活用品販売店
- 福祉用具メーカー
- 訪問介護事業所など
上記を見ても分かるように活躍の場はたくさんあります。
福祉用具を取り扱う店が増えたことは、高齢者の増加によって介護用品の必要性が高くなったこと、障害者や介護を必要とする人も、自らで確かめて購入する受け入れ態勢が進んできたからと考えられます。
身近なドラッグストアーや大型のスーパーでも扱う福祉用具の種類や品種も多くなってきたことは介護利用者や障害者が社会の中で受け入れられるようになってきたことを表していると考えられます。
また、福祉用具専門相談員は、自宅で介護を受けるために必要となる住宅のリフォームのアドバイスや、改修工事の相談・助言・選定などをしなければなりませんので住宅関連のリフォーム部門などにも活躍できる場があります。
また、リフォーム用品製造会社や、介護用品製造会社などにも専門知識を持つことで、活躍の場が見つかります。
住宅関連では、福祉住環境コーディネーターの資格を取得することによって、より活躍の場は広がり、給料アップもできることでしょう。
福祉用具専門相談員の魅力
福祉用具専門相談員の魅力とは、病気や加齢で身体の機能が低下した利用者に対し適切な福祉用具を提案することで大変喜ばれることです。
介護護保険制度施行前は、福祉用具の大半は公的に給付されていました。
福祉用具を具体的に選ぶ権利は利用者にはなく、十分なサービスはうけることができませんでした。また、一定以上の所得がある方はこのサービス自体受けることができない場合もありました。
介護保険制度施行以降は、福祉用具の貸与(車椅子、車椅子付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、褥瘡予防用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖、痴呆性老人徘徊探知機、移動用リフト)と、購入(腰掛便座、特殊尿器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフト付属品)が利用できるようになりました。
これにより、福祉用具の市場環境が大きく変化しました。
介護保険制度とは関係はありませんが、大型スーパー、または専門店等で高齢者や障害者用の食器や衣類などを頻繁に見かけるようになりました。
世間の関心が高齢者用の福祉用具に集まり、また明るいイメージになりました。
近年ではテレビコマーシャルで高齢者用の紙おむつが明るく元気に放送されるのを見て嬉しく思います。一昔前は隠すものでしたから。
今なお、福祉用具の研究開発が進んでおり、利用者にとって楽しみの一つとなりました。
そして福祉用具というものの存在は自宅で介護をしている人にとって、大変大きな助けとなっています。
そんな魔法のような道具をお運びできる福祉専門相談員はとても魅力的ですね。
利用者や家の方に流行の福祉用具の情報を伝えたらとても喜ばれたという話も多々聞きます。
信頼され頼りにされ、ますます仕事にやりがいを感じることでしょう。
日々様々な福祉用具に囲まれ、自然と自分の身内の人間に合う用具がどれか分かったり、「将来の自分にはどうだろう」と考えてみたりなど楽しみは限りがありません。
福祉用具を使う人の為になるばかりでなく自分自身の役にも立つとても魅力的な職業です。