診療報酬請求事務能力試験というものを皆さんはご存知ですか。
この試験は医療事務の資格の中で最高峰であり、スキル・キャリアアップを目指す医療事務従事者の最終目標でもあります。
ただその試験内容は非常に難しく、並大抵の勉強では習得することは困難です。
そこで今回は、本試験の受験を目指す方向けに、試験の基本情報や合格するための勉強の方法について紹介していきます。
目次
診療報酬請求事務能力試験は難しい!
冒頭でも述べましたが、診療報酬請求事務能力試験は非常に難易度の高い試験となっています。
合格するには医療事務の業務の中でも特に重要な診療報酬明細の作成スキルが必須となっています。
この診療報酬明細書(以下レセプト)の作成には専門知識が求めれ、また現場でもスキルを持つ人材は不足しています。そのため、合格できれば自身の能力の高さを評価されるのはもちろん、即戦力として働くことも可能です。
しかし、試験内容はレベルが高く、文章の正誤判定には回答スピードが求められ、実技試験では最低でも回答に一時間以上はかかるような内容のカルテのレセプトを作成しなければなりません。
以上のことから、多数存在する医療事務の試験の中でも、診療報酬請求事務能力試験は別格で難易度が高いと言われています。
試験の基本情報・受験資格
難易度は高いですが優秀なスキルを身に着けることができる診療報酬請求事務能力試験。
では受験するにはどうすればいいのか、試験の詳細を見てみましょう。
診療報酬請求事務能力試験は公益財団法人である「日本医療保険事務協会」が実施している全国一斉統一試験で、毎年7月と12月の二回行われます。
医科・歯科のどちらかを選択して受験します。
試験範囲は多岐にわたっていて、学科試験は
- 医療保険制度、公費負担医療制度等の概要について
- 保険医療機関、療養担当規則等の基礎的な事項
- 診療報酬、薬価基準、材料規格基準についての基礎的な事項
- 医療用語、医学、薬学についての基礎的な事項
- 医療関係の法規の基礎的な事項
- 介護保険制度についての基本的事項
以上の6つのジャンルについて、5者択一式のマークシートにて回答を求められます。
そして実技試験は、診療録より手書きでレセプトを作成します。
実技試験の際には試験会場に資料等を持ち込むことは自由となっています。ただ電子機器の持ち込みは禁止です。
以上の二種類の試験を3時間かけて行います。
そして気になる受験資格ですが、特にありません。
現在所有している資格などには関係なくどなたでも受験可能な資格です。
合格率はどれくらい?
正確な数字は公開されていませんが、ネットにある情報まとめると、医科は約30%、歯科は約38%となっています。
普通の資格であれば合格率は半数を超えているのが普通ですが、この診療報酬請求事務能力試験に関してはどちらの科も30%代と非常に低いことがわかります。
試験に合格するための勉強法
これまでの説明で、診療報酬請求事務能力試験の内容や難易度については理解していただけたと思います。
では実際に合格を目指すにはどのように勉強を進めていくべきか。
独学で勉強する場合とスクールに通う場合、2つのケースに分けて紹介していきます。
独学の場合
まずは勉強を効率よく行うための資料を揃えましょう。
絶対に入手するべき2つのアイテムを以下で紹介いたします。
一つ目は「診療点数早見表」です。
あまりなじみがない物ですが、診療報酬請求事務能力試験の大半はこの本を使用しないと答えにたどり着くのは困難であり、また実技試験のレセプト作成の際にも役に立ちます。毎年改定版が出て、そのたびに情報が改定されているので、試験の受験日程が決まったらその試験時点で最新の診療点数早見表を入手するようにしましょう。
二つ目は「試験対策問題集」です。
学科試験で求められる医療事務の基礎事項を確実に覚えるには、問題集を入手して繰り返し勉強するのがベストでしょう。
問題集の種類はたくさんありますが、自分が学びたい分野に合わせて入手するようにしましょう。また過去問も実際の試験の問題の雰囲気が把握できるのでお勧めです。
以上が独学で勉強を進める際に必須の資料です。これらを用いて、時間通りに課題をクリアするということに常に気を付けながら勉強を進めれば独学でも合格は可能でしょう。
ただそれだと少し不安という方は、次に説明するスクールに通う勉強法がお勧めです。
スクールに通う場合
先ほど説明した通り独学でも十分合格可能ですが、診療報酬請求事務能力試験対策専門のスクールに通うのもお薦めの勉強法です。
スクールに通う一番の理由として、教材の充実、そして優秀な講師の存在があります。
市販でも教材等は入手可能ですが、スクールで使用されている教材はより優秀なものが多いです。また自分の現在の習熟度に合わせたものを用意してくれるため、いきなり難しい内容の本を読んで挫折するといった心配も独学と比べてありません。
そして、スクールで教えてくれる講師は毎年合格者を輩出している優秀な人たちです。
普段の授業内容がわかりやすいのはもちろん、書籍では理解できない部分を気軽に質問しすぐに解決することが可能です。
このように独学にはない多くのメリットがスクール通学には存在するため、お金に余裕がある場合は勉強法の選択肢の一つとして考えてみてください。
難易度が高い分得られる恩恵は大きい!
診療報酬請求事務能力試験の基本情報、合格するための方法について紹介しました。
誰でも受験できますが、難易度は高く勉強の途中であきらめてしまう人も多いですが、今回紹介したように、努力次第では独学でも合格できますし、不安であればスクールに通うという選択肢もあります。
また、合格すれば就職活動で効果を発揮することは間違いなしです!
採用担当に良い印象を残せることは確実でしょう。
自分に合う勉強方法を見つけ、合格を目指して頑張ってみてください。