みなさんは、医療保険調剤報酬事務士というのを聞いたことがあるでしょうか?
あまり馴染みがない仕事かもしれませんが、実は、調剤薬局では今、とても必要な人材です。
医療保険調剤報酬事務士と聞くと、専門性が高いように聞こえますが、資格取得までは、平均2-6ヶ月と、ハードルは決して高くはありません。
就職・転職で強いアピールポイントとなる医療保険調剤報酬事務士について、資格の概要、資格取得までの流れ、資格取得にかかる費用について紹介します。
目次
医療保険調剤報酬事務士とは?
医療保険調剤報酬事務士は調剤薬局などで事務作業全般を担当しているです。
薬を調合・処方するのは薬剤師の仕事ですが、それらに必要となる書類を作成するのが仕事です。
具体的には、調剤薬局で、処方された薬の費用を計算し、レセプトといわれる調剤報酬明細書を作成し、医療保険分の費用を保険者に請求する仕事がメインとなっています。
他にも、保険証を患者さんからお預かりし、データを入力、会計、さらに接客業務や、調剤の在庫整理、発注、清掃や会計管理など仕事は幅広い範囲に渡っています。
つまり、医療保険調剤報酬事務士は、調剤薬局の経営全般を支える重要な仕事ということがいえます。
院外処方箋の発行数が近年は増加しており、保険調剤薬局において、レセプトを作成でき、即戦力となる人材の必要性が高まっています。
医療保険事務士との違いは?
よく混同される、医療保険事務士と医療保険調剤報酬事務士との違いは、前者は薬局での調剤に限られるのに対し、後者は病院や医院での診療行為をすべて対象としている点です。
そのため、医療保険事務師の場合、入院、処置、手術、薬剤など広範囲に渡る知識が必要とされる反面、医療保険調剤報酬事務士の場合、調剤の知識だけが必要とされます。
そのため、医療保険調剤報酬事務士は、医療保険事務士と比べ、短期間でマスターできる仕事といわれ、人気があります。
また、医療保険事務士の資格を取得する前に、医療保険調剤報酬事務士の資格を取得する方も増えているようです。
資格取得方法は?
医療保険調剤報酬事務士は、絶対的に必要とされる資格はありませんが、レセプト作成がメインの仕事となり、専門的な知識が必要ですので、資格を取得することをおすすめします。
公的な資格はないため、さまざまな民間資格があります。
今回は受験料が一番安い「医療保険調剤報酬事務士」について今回は紹介します。
「医療保険調剤報酬事務士」は医療保険学院によって認定されている資格で、取得することによって、就職時には、ぐんと有利にはたらく資格です。
調剤報酬の流れを把握しており、医療保険制度や、調剤についての知識を所持し、レセプト作成を正しくできることをアピールできます。
試験概要
「医療保険調剤報酬事務士」の試験は、学科試験と実技試験の2つによって成り立ちます。
学科試験で、医療保険制度や保険請求業務に関する知識は、実技試験では、レセプト業務の能力が問われることになります。
試験は、医療保険学院が提供する調剤報酬事務教育講座カリキュラムに沿って作成されています。
試験は毎月、在宅試験の形をとっており、受験資格は、医療保険学院の調剤報酬事務教育講座での中間テストを合格した人に与えられます。
初回の受験料は、無料ですが、2回目以降は1回につき、4,000円となっています。
気になる試験の難易度についてですが、9割前後の正答率が合格基準となっているようなので、油断はできません。
しかし、毎月受験のチャンスはあるので、めげずに挑戦し続けることが大事です。合格発表は、試験答案が受講者に返却され、3週間経った頃に、郵送で合否が伝えられるそうです。
スクール選びについてのポイント
さて、短期間で確実に資格取得を目指すため、対策講座を受けたい方もいるでしょう。
さまざまなスクールがある中、どれが自分にぴったりなのかわからないという方もいるでしょう。
費用を抑えたいという方もいるでしょう。
このような人たちのために、ここからは、スクール選びのポイントを紹介いきます。
どの資格を選ぶか
さきほどは、医療保険調剤報酬事務士の民間資格にはさまざまなものがあると説明しました。
受験料が最も安い「医療保険調剤報酬事務士」(初回無料、2回目以降は4,000円)について試験概要をみてきましたが、他にも、「調剤事務管理士®技能認定」(6,500円)や「調剤報酬請求事務技能検定」(6,480円)があります。
どの資格を選ぶかによって、資格取得までの費用にも差が出るので注意しましょう。
学習範囲
医療保険調剤報酬事務対策の講座内容は、レセプト作成方法、調剤報酬の算定方法、調剤薬局でのパソコン作業まで、さまざまな範囲に渡っています。
実際に自分が何を学びたいのか、学びたい科目は講座に含まれているのか、その際、有料オプションとしてではないかなど、しっかりと講座の学習範囲について把握しておくことが大事です。
講座内容はスクールによってバラバラですので、自分が受けたい科目が含まれていなかったという事態が発生しないようにしましょう。
スクールの費用
スクール選びの際、通信講座か通学講座かの2種類があると思いますが、通信講座の場合、33,000~64,000円、通学講座の場合、34,000~84,000円のものとさまざまです。
上記は、入学金と教材費を含めた価格になります。傾向としては、やはり、通信講座の方が費用は低くなっています。