現在、介護保険制度改正によってニーズが上昇している介護予防資格。
その一つである介護予防運動指導員はどんな資格なのでしょうか。気になる仕事内容や資格取得方法などを紹介していきます。
目次
介護予防運動指導員とは
介護予防運動指導員とは介護予防資格の一つです。
介護予防とは、高齢者の介護が必要な状態になることを予め防ぐことや、現在介護状態の人の症状の悪化しないように回復を目指します。
運動を行い、栄養状態をよくしていくことで、心と体の健康を維持することと、高齢者一人でも自立して生活ができるように目指します。
そのなかでも「介護予防運動指導員」は専門性が高い仕事となっています。
介護予防運動指導員は東京都健康長寿医療センターが認定している民間資格のことです。
介護予防をするために色々な取り組みが行われていますが、その中でもこの介護予防運動指導員の資格は、運動面から介護を予防しようするのがこの資格です。
介護予防運動指導員の資格取得方法
介護予防運動員の資格の取得方法は、指定された研修を修了することで資格を取ることができます。
研修は16講座行われ、時間は実技を含めて合計31.5時間受講します。
科目 | 時間数 |
介護予防概論 | 0.75時間 |
介護予防評価学(講義) | 1.5時間 |
介護予防評価学(実習) | 1.5時間 |
介護予防統計学 | 1.5時間 |
行動科学特論 | 1.5時間 |
リスクマネジメント | 1.5時間 |
高齢者能力向上トレーニング(講義) | 1.5時間 |
高齢者能力向上トレーニング(実習) | 10.5時間 |
転倒予防特論(講義) | 1.5時間 |
転倒予防特論(実習) | 1.5時間 |
失禁予防特論(講義) | 1.5時間 |
失禁予防特論(実習) | 1.5時間 |
高齢者の栄養改善活動特論 | 1.5時間 |
口腔機能向上特論 | 1.5時間 |
認知症予防 | 1.5時間 |
うつ・閉じこもり特論 | 0.75時間 |
合計 | 31.5時間 |
研修期間は5日間から最長で1か月と幅があり、1日に行う講習時間によって変わります。
研修場所については、東京都健康長寿医療センターが指定する複数の業者から選ぶことができます。
研修終了後の修了試験に合格することで資格の取得となります。また、登録後、3年ごとに更新をおこなう必要があります。
受験資格が必要
介護予防運動指導員の研修を受講するには、受講資格を満たす必要があります。
受験資格は医療や介護系の資格を取得しているか、看護学校などの専門学校の卒業見込みがあり、かつ資格取得見込み者(国家試験受験者)のみです。
介護予防運動指導員の合格率は、正式に公開されていません。
しかし講義内容を理解しているかの確認のための試験なので、合格率は高いのではないかと考えられます。
全部の講習をしっかりと学ぶこと、不得意分野の復習は怠らないことで合格することができると思います。
介護予防運動指導員の難易度は受験資格があるので、ある程度の医療・介護・福祉関係の知識が必要で、介護予防の講習範囲はとても広範囲です。
予め持っている資格によっては得意分野の講習もあります。
資格取得費用はどれくらい
介護予防運動指導員養成研修の受講することができるスクールをまとめました。
- 藤仁館医療福祉カレッジ
- ケアスクールリエゾン
- ジョイリハ
- 東京療術学院
- セントラルスポーツセンター(株)
- (株)ティップネス
- NPO法人介護予防研究会
上記のようにさまざまな場所でおこなわれています。
受講料は受講場所や受講期間によって変わりますが約100,000円以下が受講料となっている所が多いです。
介護予防運動指導員の具体的仕事内容
介護予防運動指導員の資格を持っていることで、様々なフィールドで働くことができます。
- リハビリテーションセンター
- 医療機関
- 老人介護施設
- 身体障害者施設
- 訪問介護
- 在宅介護サービス
トレーニングなどの介護に関連が強い仕事や他にもスポーツ分野でも求められる可能性が高いです。
インストラクターとしてフィットネス、スポーツ施設で活躍することが期待できます。
また行政と協力して、今介護サービスを受けていない、高齢者向けに地域運動教室を開いたり、市民講座で介護予防のために運動の大切さや取り組み方法を伝えたりする活動もおこなったりもします。
仕事内容は、専門知識を使い、運動プログラムを考え、指導をおこないます。
一人ひとりの生活や状態に合わせて、運動プログラムを立案やマシントレーニング、転倒予防体操、尿失禁予防運動などの指導をおこないます。
介護予防運動指導員の将来性
介護予防運動指導員の将来は、これから高齢化社会によってますます将来ニーズが高まる資格です。
今、介護をする人も多く必要とされています。
しかし介護を必要としている人たちも望んで介護をしてほしいわけではないと思っていることが多いです。
その介護を予防することが求められています。ですので、介護予防運動指導員は介護を予防するトレーニングや運動を教えることができる専門家として求められます。
また介護保険制度改正が行われたこともあり、介護予防サービスに介護サービスの一部が移行されたことによりますます仕事が増えるといえます。
まとめ
以上、介護予防運動指導員について、仕事内容、資格取得方法、将来性などをまとめました。
介護予防運動指導員は今介護を必要としている人たちだけに対してだけではなく、これから介護が必要になるかもしれない人を減らす、介護予防をおこないます。
トレーニングや運動方法を教えることによって高齢者がよりよい生活が送れるようにサポートができるやりがいのある仕事です。
介護や医療の資格をもっていて、介護や介護予防に関心がある人が受講してみてはいかがでしょうか。