社会福祉士、介護福祉士と並ぶ福祉系の三大資格である精神保健福祉士。
医療現場や自治体、地域の施設などさまざまな場で活躍しており、その需要も高まっています。
ここでは精神保健福祉士の概要から資格を得る方法、仕事内容まで幅広く解説していきます。
目次
精神保健福祉士とは?
精神保健福祉士とは、簡単に言うと精神障害者が社会に復帰できるようにサポートをする仕事のことです。
精神科が設置されている病院や精神障害者施設などで、社会復帰のために必要な訓練や指導をおこないます。
一般的には「PSW(医療ソーシャルワーカー)」と呼ばれています。
精神保健福祉士の取得方法について
受験資格
精神保健福祉士になるためには「精神科ソーシャルワーカー」として働くために、精神保健福祉士の国家資格が必要です。
ですがこの資格の試験は誰もが受けられるわけではありません。
受けるためにはさまざまな条件が必要になります。
今回はその受験資格を得るための過程を3つのルートに分けて説明していきます。
福祉系大学卒業の場合
4年制の福祉系大学で指定科目を履修し終えた場合は、その時点で受験資格が存在します。
基礎科目しか履修していない場合でも、卒業後に短期養成施設等に6カ月以上通うことで受験資格を得られます。
短大の場合だと、指定科目を履修していれば、卒業後に相談援助の実務経験を1~2年積むことで受験資格が得られます。
基礎科目履修の場合は、相談援助の実務経験1~2年と、短期養成施設に6カ月以上通うことで受験資格が得られます。
一般大学卒業の場合
4年制の一般大学の場合、卒業後に一般養成施設に1年以上通うことで受験資格が得られます。
短大の場合は、卒業後に相談援助の実務経験1~2年と、一般養成施設に1年以上通うことが条件になります。
高校卒業の場合
高校卒業の場合は、上記のように大学や短大に進学するか、指定の施設で相談援助の経験を4年間積んだ後に一般養成施設に1年以上通うといったルートになります。
試験内容
精神保健福祉士は精神障害者のサポートをするという仕事なので、試験内容も精神保健福祉や心理学に関する設問が多くなっています。
具体的には、「精神疾患とその治療」「精神保健福祉に関する制度とサービス」「精神障害者の生活支援システム」等です。
もちろん、精神保健福祉以外の分野の設問も出題されます。合格率は、例年60%前後となっています。
精神保健福祉士の仕事内容
業務内容
序盤にも軽く触れましたが、精神保健福祉士というのは、精神障害者の方が社会復帰するために指導・助言をしたり、日常生活の手助けをしたりする仕事です。
社会福祉士が高齢者、子ども、障害者、低所得者など幅広い対象をサポートするのとは違い、精神保健福祉士は精神障害者に特化した職業となります。
具体的な仕事内容は勤務する職場によって大きく変わります。
病院に置かれる精神科では、診察前から事前に相談を受け、入院中には社会復帰のための助言や患者の関係各所との連携・調整まで行ないます。
医師と患者の間に入って情報を伝えたりもします。
仕事時間
精神科病院勤務の場合だと、基本的には1日8時間労働で、残業になることはほぼ無く定時で帰れることが多いようです。
しかし入院病棟がある場合は、夜間診療があることが多いので、夜まで勤務することもあるようです。
とは言っても、精神保健福祉士が夜間の当直にあたるのは限られた施設のみで、ほとんどの施設では精神保健福祉士の夜間当直は無いそうです。
勤務場所
精神保健福祉士が活躍する場所は多岐にわたっています。
そのなかで代表的なものとしては、総合病院のなかの精神科、精神科のみの専門病院、精神科・心療内科のクリニック等があります。
また行政機関でいうと、保健センターや精神保健福祉センター等があります。行政機関で働く場合は公務員の身分になるので、行政機関の施設は人気があるようです。
精神保健福祉士の年収
精神保健福祉士の年収は職場によって異なりますが、基本的には、国家公務員・社会福祉のプロという仕事に準じた額になっている場合が多いです。
特に賞与や手当面で優遇されています。
日本精神保健福祉協会が実施したアンケートでは、精神保健福祉士全体の平均年収は400万円未満だそうです。
全体で見れば高い年収を得ている方はそんなに多くないようですが、それには比較的に平均年齢が若いこと、パート形態の場合も多いことが背景としてあります。
精神保健福祉士の勉強方法
ここでは実際に精神保健福祉士の試験を受けた方の声を基に、勉強法を解説していきます。
問題をひたすら解く!
精神保健福祉士の試験形式は「多肢選択形式」です。
過去の問題集をひたすら解いて、一問にかかる時間を短縮できるようにするのがコツだそうです。
量の多い暗記科目から!
科目の中には、非常に暗記事項が多い教科もあります。
そのような科目の場合、時間がかかる分取りかかりやすい内容となっているので、先に攻略しておくことがおすすめです。
読んで覚える!
問題集を解くことも大事ですが、それだけでは全体的な理解度向上にはつながりません。
「中央法規ワークブック」等を活用し、問題文を頭の中でうまく整理できるようにすることも必要だそうです。
精神保健福祉士になって活躍しよう!
精神保健福祉士はその仕事の性能上、資格取得も決して簡単ではありませんし、仕事内容も楽なものではありませんが、活躍できる場は非常にたくさんあります。
人のためになることをしたいという方にぴったりです。是非挑戦してみてください!