医療事務は、職場は全国各地にあり、家族の転勤による引っ越しや育休・産休明けでも仕事に復帰しやすいため、人気の職業の一つです。
民間団体や主催学校などの認定資格(民間資格)なので、医療事務として働くときに必ずしも資格は必要ではありませんが、医療事務の業務には専門知識が問われるものもあるので、あらかじめ資格の取得を目指して勉強をしておけば、就職後にスムーズに業務を行うことができます。
また、資格を取得していることを応募条件とする医療機関も増えつつあります。資格を持っておいたほうが有利だと言えるでしょう。
ここでは、医療事務資格の種類、取得するにあたっての難易度やおすすめの資格などについてご紹介します。
目次
医療事務の資格試験はたくさんある!
まず、医療事務の試験は一つだけでなく、いくつも種類があるって知っていましたか?実は日本で実施されている医療事務資格試験は35種類もあり、ジャンルごとに分けられます。
取得する資格は自分のやりたい分野で決めたり、試験の難易度や試験勉強の期間によって判断したりするといいでしょう。
レセプト業務に活用できる資格試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験(日本保険医療事務協会)
- 医療事務管理士(技能認定振興協会)
- 医療事務実務能力認定試験(全国医療福祉教育協会)
レセプト業務とは診療報酬請求業務のことで、受付や会計以外の医療事務の主な仕事の一つです。
医療事務になるにあたって、そういった知識を得られる資格試験を受験しておいて損はないでしょう。
上記に挙げた試験の中でも、「診療報酬請求事務能力認定試験」は医療事務の資格試験で一番難しい試験とされており、合格率は約30%と言われています。
試験は年に2回行われ、3時間で学科試験と、先述したレセプトを作成する実技試験を実施します。
非常に難しい試験なので、試験勉強期間は長めに取ることが必要です。
個人差もありますが、試験勉強の期間は3~6カ月は設けるべきでしょう。
レセプト点検能力を取得する資格試験
- 医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
- 医療事務管理士(技能認定振興協会)
現在の医療機関では、コンピュータへ診療入力をすることで電子レセプトが自動的にできあがります。
しかしそのレセプトのチェックは人の目で行うものなので、チェックする能力を得ることが大事です。
いわゆるメディカルクラークと呼ばれる「医療事務技能審査試験」はこの能力を問う試験になります。
メディカルクラークも医療事務管理士試験も5万人ほどが受験する人気の資格です。1年に何回も試験が開催されていることや合格率が約60%と若干高めなことと在宅受験ができるという手軽さから、人気となっているようです。
また、医療事務管理士試験は自宅のパソコンでいつでも受験できます。
難易度はそれほど高くはないので1,2ヶ月ほど勉強すれば十分です。
接客能力を問う試験
- 医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
- ホスピタルコンシェルジュ(技能認定振興協会)
医療事務には受付などの接客の仕事もあるので、そういった能力を問う試験もあります。
医療事務で接客の資格というのはあまり聞きなれないと思いますが、資格を持っていることで自信を持って堂々と患者さんへの対応ができるでしょう。
ただ、医療事務業界ではこの資格はあまり重要視されていません。
「ホスピタルコンシェルジュ」というのは1級から3級まであり、3級の合格率は60~70%ですが、2級は30~40%、1級は10%程度となっており難易度の高い資格です。
結局どの資格を取得したらよい?資格試験は受ける必要あるの?
単に医療事務といっても仕事内容は多岐にわたるので、それに伴って資格試験もたくさんあるようですね。
正直、どの資格を取得すれば良いのかは人それぞれなのでその人の目的別におすすめの資格を紹介します。
短期間で資格を取得したい方
「医療事務として病院に内定したけれど無資格なので早めに取りたい!」「職場の上司に資格を取るように言われた」様々な事情で短期間で早く資格を取得したいという方におすすめの資格を紹介します。
- 医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
- 医療事務検定試験(日本医療事務協会)
これらの試験はそれほど難易度は高くなく、合格率が60~70%程度と高めの試験です。
試験は基本毎月試験が行われているので資格を取りたいと思ったときにすぐ取得できます。
だいたい1~2カ月しっかり勉強すれば、取得できる資格でしょう。
採用の可能性を大幅に高めたい方
これから、医療事務の仕事を探すにあたって資格を取ろうと思っている方におすすめの資格を紹介します。
- 診療報酬請求事務能力認定試験
この試験は医療事務業界で大変有名な最難関の資格です。
この資格を取得してから、面接に向かえば採用担当に好印象を持ってもらえることは間違いでしょう。
その分、勉強は大変なので独学よりもスクールなどの外部教育機関を利用して学習することをおすすめします。
医療事務は今や人気の職業なので、資格を持っていないと就職できないという医療機関も少なくないです。
絶対に資格を持っている必要はありませんが、試験を受けて資格を取得しておくほうがよいでしょう。
ぜひ、たくさんの医療事務資格の中から自分にあった資格を見つけ、ステップアップに活かしてみてください。