高齢化社会が進行している現代で、ますます需要が高まっている職業の一つが准看護師です。
しかし准看護師のことを知っている方は少ないのではないでしょうか？
そこで今回は、准看護師とはどのような職業なのか、看護師との違い何なのか、資格取得の最短方法等を詳しく解説していきます。
目次
准看護師とは?
准看護師とは、医師や看護師などから指示を受け、病気や怪我で入院している患者さんや精神的障害者・身体的障害者の方の病状や健康状態を観測しその推移を予測する仕事です。
主に病院や診療所、クリニック、介護施設等に勤務します。
患者さんの苦痛を和らげ、病気や障害のために不自由な生活を送らざるを得ない方を医学的技術や知識を用いてサポートします。
もちろん治療や診療の手伝いもおこないます。
看護師との違いは?
上記の仕事内容を見ると普通の看護師と何も変わらないように思えますが、違いは何でしょうか?
それは、「資格の発行者」にあります。
看護師の資格が「厚生労働大臣」を発行者とする国家資格なのに対し、准看護師の資格の発行者は「各都道府県知事」となっています。
また、資格取得のルートにも違いがあります。
看護師資格は高校卒業後に大学等に通い、試験を受けることで取得するというルートであるのに対し、准看護師は中学卒業後に養成所に通うことで資格を取得でき、看護師よりも短期間で取得できます。
以上の二点が准看護師と看護師の違いです。
准看護師の資格取得の最短ルートは?
准看護師は都道府県知事が発行する公的な資格が必要なのですが、資格取得のルートはどのようなものがあるのでしょうか。
資格取得方法
資格取得のルートは二つあります。
中学卒業後に高校衛生看護科に入学し、卒業後に准看護師試験で合格する方法、中学卒業後に准看護師養成学校に通い、卒業後に准看護師試験に合格するという方法です。
最短ルートは?
准看護師は実務経験を必要としないため、通学と認定試験を受けることで資格を取得できます。
上記の二つのルートの場合、高校衛生看護科は全日制だと3年間で定時制だと4年間、准看護師養成学校だと2年間で卒業が可能です。
ですから、最短で資格取得するには准看護師養成学校に通うとよいでしょう。
准看護師養成学校
准看護師養成学校には週3日の全日制と週5日の半日制があります。
全日制は普通の学校と同じようにだいたい8:30～17:00の時間割で、半日制だと13:00～17:00の場合が多いようです。
どちらの場合でもアルバイト等がしやすく、看護助手や医療事務などで働きながら学校に通うか方も多くいるようです。
准看護師養成学校の卒業状況
准看護師養成学校は資格を最短で取得できるのですが、実は卒業数は入学時の人数の87％で、およそ1割が卒業しいていないという現状があります。
また卒業後すぐに准看護師として就業する割合は67％で、卒業数の約3割が就業せずに進学しています。
その理由が、「看護師とのスキルの差」にあります。准看護師の実習時間は735時間で看護師より300時間少ないことと、履修時間も1890時間で、3000時間の看護師とは大きな差があります。
仕事はほぼ同じことをするので、就業後に看護師とのスキルの差に苦労してしまうことが多いようです。
このように准看護師養成学校にはメリットとデメリットがあるので、最短での資格取得を優先させるのか、就業後の苦労をできる限り少なくすることを優先させるのか、しっかり考えて資格取得のルートを選ぶ必要があると思います。
准看護師の現状
現在、准看護師の年齢層は非常に高くなってきており、30代以上の方がおよそ90％を占めています。
それに対し看護師の年齢層は30代未満が20％を占めており若い世代が主力になっています。
この現状の理由としては、看護師を目指す学生が増えていること、准看護師養成学校が減少していることがあげられます。
背景には日本看護協会が、准看護師を看護師に一本化しようとしている動きがあります。
昔は高校進学率が高くなかったため、中学卒業後から通える准看護師養成学校は人気でしたが、今は高校や大学に進学することが主流になっています。
そのため、准看護師を目指す方が減ってしまったのです。しかし短期間で資格を取得できることから、30～40代の方で准看護師を目指す方はいるようです。
これらが年齢層が高くなっている理由といえるでしょう。
准看護師から正看護師へ
以上、准看護師の概要や資格取得方法、現状などを述べてきました。
准看護師はいくつかの条件を満たせば正看護師になることも可能です。
条件とは「准看護師として3年以上働くこと」「看護師学校養成所で2年間学び、看護師国家試験に合格すること」の2つです。
准看護師から正看護師へのキャリアアップは日本看護協会も推進しており、奨学金制度もあるので、学費等の不安がある方でも考えやすいと思います。
これから准看護師を目指す方も、今現在就業していて看護師とのスキルの差に悩んでいる方も、将来的に正看護師を目指してみるのはどうでしょうか。