行動援護従業者養成研修とはどんな資格なのか知っていますか？
具体的な仕事内容から、資格の取得方法までまとめてみました。
目次
行動援護従業者養成研修とは
行動援護従業者養成研修とは、知的精神障害などよって、常に介助することが必要な障害者に対し、外出時などに行動をサポートする仕事の資格のことです。
行動援護従業者養成研修の資格を取るには
行動援護従業者養成研修の資格を取得方法は通学をして講座を受けなくてはなりません。
受験資格はありませんが、特定の資格を持っていることで免除されるカリキュラムがあります。
受講期間は3～5日で、講義が10時間、演習が14時間となっています。
受講料は、20,000円から40,000円で通学するスクールによっては、他の講座を受講することによって安くなる場合もあります。
受講様式は通学型の講座のみとなっています。
行動援護従業者養成研修のカリキュラム
行動援護従事者養成研修の受講カリキュラムは、講義が10時間、演習が14時間と合わせて24時間のカリキュラムとなっています。
講義の内容として①強度行動障害がある者の基本的理解②強度行動障害に関する制度及び支援技術③強度行動障害がある者へのチーム支援④強度行動障害と生活の組み立て、について学びます。
演習内容は①基本的な情報収集と記録等の共有②行動障害がある者固有のコミュニケーションの理解③行動障害の背景にある特性の理解④障害特性の理解とアセスメント⑤環境調整による強度⑥記録に基づく支援の評価⑦危機対応と虐待の防止、について行います。
保有資格によってカリキュラム免除も
受講資格は資格を持っていなくても受けることが可能ですが、以下の資格を持っていることで受講科目と受講時間が一部免除されることがあります。
講義を7時間、演習を5時間免除されます
・強度行動障害支援者養成研修（基礎研修）修了者
・重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程修了者
都道府県の判断によって保有資格による免除が変わりますので確認をしてください。
行動援護従業者養成研修の仕事内容
行動援護従業者養成研修の修了者の主な仕事は、知的障害者や精神障害者のサポートです。特に外出や移動をする際に起こる危険を回避して、長期的には自立できるように支援を行うことです。
行動援護事業所では必須
行動援護従業者養成研修の資格が、行動支援をしている事業所で働いている、「従業者」と「サービス提供責任者」に対して必須となりました。（ただし2021年3月31日までは経過措置とみなして認定）
仕事で大切なこと
具体的な仕事内容は、バスや電車などの移動するときやショッピングセンターなど外出中に、問題行動が起きたときでも適切に対処をすることです。
他にも排泄物の処理を行うことや、食事を介助すること、衣類の着替えを介助するなど、身体介助をする場合もあります。
仕事を行う際には、知的障害者、精神障害者のよき理解者になることが大切です。
言葉によるコミュニケーション以外にも落ち着いた行動が取れるように導いてあげることが求められます。
支援対象者はどんなものが問題行動の引き金になるか個々によって異なります。
行動援護従事者はそれを理解して、問題行動が行いように予防することが重要です。
他にも、支援対象者の外出プランを作り、外出介護をすることが仕事で自動車を使うことが多いので、自動車の中型免許を一緒に取得していると仕事に幅が広がります。
行動援護従業者養成研修のこの先
今では、知的障害者や精神障害者の方でも施設で暮らすのではなく、地域で生活をしている人が増えてきています。
一方で社会的に認知はまだ低いので、不自由に生活をしている知的・精神障害者の方もいます。
そのため行動援護従業者養成研修の資格取得者が多く必要とされているので、需要は多くあります。
特に現在はガイドヘルパーに関する仕事は常に人手不足の状態にあります。
ですので、行動援護従業者養成研修の資格取得者は特に求められている状況です。
背景として行動援護従業者養成研修を受講していない知的・精神障害者に対する理解が低い人が担当となってしまい、お互いが苦労してしまっているという現場で問題があるからです。
行動援護従業者養成研修の就業先
ガイドヘルパー（移動介護従業）の一つの行動援護従業者養成研修の資格取得者にはどのような就業先があるかというと、
デイサービスや重度訪問介護事業所、居宅介護事業所などの在宅介護
特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設
児童養護施設などの福祉施設
障害者更生施設や重症心身障害児施設などの身体障害者施設
などがあります。知的・精神障害者の行動をサポートが必要となる場面は多く、介護業界で活躍することができます。
またそれ以外にも厚生労働省が行っている、行動援護特定事業所加算の配置要件の対象なので、就職に有利になる可能性があります。
他にもガイドヘルパー（移動介護従者）の資格の視覚障害者同行援護業者養成研修や全身性障害者ガイドヘルパー養成研修などを取得することで、仕事できる幅が広がります。
行動援護従事者養成研修ついてまとめ
以上、行動援護従業者養成研修の資格取得方法、具体的な仕事内容、将来性についてです。まとめると、
資格の取得方法：スクールに通って講義を受講する。
具体的な仕事内容：知的障害者や精神障害者の方の特に外出などの行動をサポートすること
将来性：資格取得者の需要が高く、行動援護事業所の「従業者」と「サービス提供責任者」は必須となっている。
介護業界は常に人手不足という状態で、特に知的障害者や精神障害者への理解が低い人が担当しているという問題もあります。
介護業界について考えているのでしたら、資格の取得方法に受験の資格の必要がない行動援護従業者養成研修の受講も視野にいれてみてはどうでしょうか。