今話題のPSW(精神科ソーシャルワーカー)と呼ばれる専門職に就くために必要とされる精神保健福祉士についてご紹介します。
具体的にどのようなことをしているのか、試験の難易度や合格率はどれくらいなのかなど細部に迫ってご紹介していきます。
精神保健福祉士とは?
精神保健福祉士とはどのようなものなのでしょうか。
名前だけは知っているけど、実際どんなものなのかわからないという方も多いはず。
精神保健福祉士とはPSW(精神科ソーシャルワーカー)と呼ばれる職業に就くために必要とされる厚生労働省管轄の国家資格のことです。
メンタルヘルスを管理したり、精神障害の治療を補助したり、社会復帰を支援することが主な仕事内容です。
精神保健福祉士の活躍の場は、やはり医療現場でしょう。
精神科病院や、大学・総合病院の精神科、メンタルクリニックにおいて精神障害を抱えた方やメンタルが不安定な方などの入院・退院をサポートしたり、社会復帰支援、カウンセリングに至るまで様々なサポートをおこないます。
関わるのは病院だけでなく、福祉施設や学校などの児童相談所職員として働くこともできます。
障害者施設はもちろんのこと高齢者介護施設や老人ホーム、老人福祉センターでのカウンセリング業務があります。
学校のイジメに関連して、児童相談所の相談件数が増加の一途をたどる中、この問題を解決するために児童福祉司のニーズはますます高まるのではないでしょうか。
児童福祉司なるためは精神保健福祉士の資格が必要なのでいずれは学校の児童相談所で働くことも精神保健福祉士の道の一つです。
精神保健福祉士の資格試験について
精神保健福祉士になるには、受験資格を取得し、試験に合格した後、資格登録をすることで晴れて精神保健福祉士になることができます。
受験資格を得るためにはいくつかの方法があり、この記事では5つほど紹介します。
- 福祉系大学で基礎科目を履修した後、短期養成施設に6か月通うことで受験資格を得る方法。
- 保健福祉系短大(2年生)で指定科目を履修後、実務2年経験を積むことで受験資格を得る方法。
- 一般大学(4年生)を卒業した後、一般養成施設などで1年間学んだ後、受験資格を得られる場合。
- 一般短大(2年生)を卒業したのち、2年間の実務経験で受験資格を得る方法。
- 実務経験4年積んだ後、一般養成施設を卒業することで受験資格を得る方法
上記で紹介した方法のほかにも6つ受験資格を得る方法があるので気になる方は、厚労省のサイトを見ればすべて載っています。
試験は年に1回、1月下旬から2月上旬におこなわれます。
出願期間は例年9月上旬から10月上旬です。
科目は共通科目11科目、専門科目6科目の計17科目163問が出題されます。
受験料は17,610円で社会福祉士を同時受験する場合、併せて28,140円になっています。
なお、すでに社会福祉士の資格を取得している場合は共通科目が免除され14,080円となります。
気になる資格試験の難易度と合格率は?
試験の難易度としては、保健福祉系4年生大学が合格率100%という数字を叩き出していたりと、しっかりと勉強していればそこまで難しくない試験となっているといえるでしょう。
受験者全体の合格率は例年60%前後となっており、約7000人のうち4000人が合格しています。
合格者のうち、70%が女性で30%が男性という男女比になっています。
また、合格者のうち、養成施設卒業者が約3000人、保健福祉系大学卒業者が約1500人という割合になっています。
年齢別合格者で言えば、30代以下が圧倒的に多く全体の50%程度となっており、40代が24%程度、50代が23%程度となっています。
さて、気になる合格ラインですが合格のためには2つの大きな条件をパスする必要があります。
まずは、試験の得点が60%に達すること、60%の得点者の中ですべての科目において得点のあるものが合格になります。
なお、社会福祉士を取得している方は共通科目が免除になるので80点満点中の60%が合格となります。
精神保健福祉士になろう!
メンタルヘルスが重視されている現代において、精神保健福祉士は今まさに必要とせれている業種、カテゴリであるといえます。
精神障害をサポートし、社会復帰を支援するという動きは厚生労働省を中心に自治体や国全体が積極的に動いてこの問題を解決しようと試みています。
様々な精神障害を抱えた方々に対する社会支援が立ち遅れた状況の中で生涯を抱えた方を支えるような人材の確保が急務とされているのです。
社会全体がそうした問題に理解を深め解決していくことが求められます。
この記事では、精神保健福祉士の資格や試験内容、合格率などを紹介してきました。
精神保健福祉士の現状や問題に目を向け、この資格の役割を理解していただければ幸いです。
ぜひ、心の問題を扱うプロとして志してみてはいかがでしょうか。