これから事務のお仕事をしたいなという方の中には、調剤薬局事務と医療事務は名前が似ているけれど結局のところどちらが良いのだろう?と思っている方も多いと思います。
そのような方がどちらにするか決断できるように違いを詳しく解説していきます。
似たように見えて、実際は違いがたくさんあります。
その違いを知った上でどちらの仕事をするか決めていきましょう。
目次
調剤薬局事務と医療事務の違いを詳しく解説!
調剤薬局事務と医療事務の共通点
大きな共通点はどちらもパソコンをつかった入力作業があることと、受付をメインとする接客業ということで、事務職とサービス業が混ざっている仕事だと言えます。
調剤薬局事務と医療事務の相違点
決定的な相違点は働く場所です。
医療事務は病院や診療所で働きます。
町の小さな個人病院から、大きめの総合病院まで施設の規模はまちまちとなりますが、大きな病院では、複数の医療事務スタッフが分業して仕事をしていて、そこにやってくる患者さんと接します。
調剤薬局事務は調剤薬局で働きます。
調剤薬局には、近くの病院やクリニックなどのさまざまな診療科で治療や診察を受けた患者さんが訪れます。
最近は、大手チェーンのドラッグストアの中に調剤薬局があるパターンもあり、病院よりもさまざまな患者さんと接する機会が多くなっています。
さらに薬局と病院は近くにあるため、系列店だと誤解されがちですが、それぞれが独立した医療機関であり、独立した会計システムがあります。
薬局会計のベースとなる「調剤報酬」のスペシャリストが調剤事務であり、病院会計のベースとなる「診療報酬」のスペシャリストが医療事務となります。
調剤薬局事務よりも給料がいいのは医療事務?
医療事務のほうが高い傾向にありますが、調剤事務も勤務地や職場によっては高いので一概には言えません。
一例として、求人を見ると、医療事務も調剤薬局事務もほとんど同じくらいで、正社員では月14万~18万前後、パートでは時給1,000円前後位のところが多いです。
しかし、大きな病院や薬局であれば20万円くらいもらうことも十分可能であるため、どちらの仕事の方が儲かるかというのは就職する場所によります。
就職しやすいのは医療事務?
医療事務のほうが求人数が多いですが、経験者が優遇される傾向があるので、どっちもどっちだといえます。
結局のところは応募する職場によります。
一般的には、医療事務の方は、パートや契約社員の求人もあり、自分の条件に合った仕事探しもしやすいといえます。
取得しやすいのは調剤薬局事務!
医療事務は病院で行われるさまざまな医療行為(手術や注射、検査など)について幅広く扱うため、資格を取るときもそれだけ勉強する範囲が広くなってしまいますが、調剤薬局事務であればそれが薬剤の分野だけで済みます。
つまり、調剤薬局事務の方が医療事務より勉強しなくてはならない範囲が狭く、そのぶん資格を取る事も楽になると考えられます。
実際に、資格の通信教育のサイトで二つの資格を比べてみても、医療事務はメインとなるテキストが三冊あるのに対して、調剤薬局事務は二冊となっていて、比較的難易度も低い資格になっているため、資格が取りやすいことは確かです。
取得する際にかかる費用も調剤薬局事務の方が安くなっていて、気軽に何か資格を取りたいという方は、調剤薬局事務の方がオススメです。
一番簡単な調剤薬局事務は調剤事務管理士技能認定試験
自宅での勉強だけで取得でき、認定試験も自宅で受験可能です。
また問題方式もマークシート方式なので、はじめての方でも高い合格率を誇っています。
ユーキャンで取得する場合、費用も39,000円と安い金額で取得できるのでおすすめです。
働きやすいのは医療事務?
それぞれ働く場所により違いはあると思われますが、医療事務と調剤薬局事務の双方で働いたことがある方の経験によると、医療事務の方が働きやすいようです。
そのクリニックでは、事務員の監視者にあたる院長先生が主に診療室にいるため、医療事務が働いている受付にはめったに来ないため、患者さんがいない時には事務員同士で軽い雑談などができ、一息つける時間があったそうです。
一方、調剤薬局事務ではそのような一息つく時間が無く、一日中薬剤師五人、調剤薬局事務が三人態勢で狭い空間でバタバタ動き回っているため、みんなピリピリした雰囲気だったそうです。
さらに、働くうえで重要になるのが休みがとりやすいかどうかだと思いますが、経験者の方が休みやすいと感じたのは、調剤薬局事務だそうです。
単純に、事務員さんの人数が多く正社員だけでなくパートさんもいたため急に一人くらい休んでも仕事が回る人数がいたためだと考えられます。
一方で、クリニックで医療事務をやっていたときは、仕事がまわる最低限の人数しかおらず、よっぽどのことが無い限り休めないというプレッシャーがあったそうです。
さらに、その方が働いていた薬局では、事務と薬剤師が仲良くなかったため、意思伝達をやり辛かったそうです。
人間関係が円滑で働きやすい薬局はたくさんあるはずです。
そのため、働く前には見学に行き薬局全体の雰囲気を見て、雰囲気が良い職場を見つけることが重要です。
結局どっちの仕事がおすすめ?
以上のことを踏まえて、おすすめの仕事は医療事務です。
全体的に求人数が多く、のちのち調剤薬局事務で働きたくなった時でも、医療事務の資格や経験があれば有利になります。
そのためどちらの仕事も良くて迷うという方は、医療事務から始めてみましょう!