介護福祉士の受験資格やかかる費用・期間はどのくらい?

介護福祉士の受験資格やかかる費用・期間はどのくらい?

介護福祉士という資格について、介護のお仕事をしている方や、これから介護関係の仕事を目指そうとしている方なら聞いたことのある資格かも知れません。

今回は介護福祉士について取得するメリットや、受験資格、取得するまでの課程などを解説していきます。

介護福祉士とは?

介護福祉士は、数ある介護の資格の中でも唯一国家資格です。介護福祉士国家試験を受験して合格すると、国に介護職員として認められます。

一度取得すると全国どこでも使えて、更新などもないので一生のものの資格です。

介護福祉士と聞くと、養護施設に勤めている介護職員、ホームヘルパーをお思いの方がほとんどでしょう。しかし、介護福祉士は現場での活動以外にも、チームマネジメントや利用者のメンタルケアまで多岐にわたって活躍しています。仕事内容やメリットなどご紹介していきます。

介護福祉士になるメリットは?

介護福祉士になるメリットとしては、給与、待遇面が非常に良くなるという点が挙げられます。

介護福祉士が職場に多くいると加算が受けられるので、給与面で有利になります。

介護福祉士を取得して月給が1万円近くアップしたという人も多いです。

資格を持っていると正社員としての就職にも非常に便利です。

また、職業選択の幅が大きく広がります。

サービス提供責任者、生活相談者、チームリーダーなどの事業所で配置が必要な役職があり、介護福祉士でないとなることのできない役職もあります。

介護福祉士はどんな現場でも求められるため、就職や転職に便利です。

よく間違われる介護士とケアワーカーとの違い

介護業界で働らいている方であれば、間違うことはほとんど無いとおもいますが、一般的によく間違われがちな、介護士とケアワーカーとの違いを紹介します。

介護士、ケアワーカーは資格が必要ではなくても働くことができるので、誰でもすぐになれるものです。

これに対して介護福祉士は国家試験に合格し登録した人のみなることができます。

介護福祉士の受験資格、取得ルートは?

介護福祉士になるためにはどうしたらいいのでしょうか。

介護福祉士になるための国家試験を受ける受験資格を得るには大きく分けて3つの方法があります。

  • 実務経験ルート
  • 養成施設ルート
  • 福祉系高校ルート

上記のいずれ方法でも筆記試験に合格する必要がありますが、試験の受験資格を取得するまでの過程が異なります。

この3つのルートについて詳しく解説していきます。

実務経験ルート

実務経験ルートでは介護の現場で3年以上かつ540日以上働くことと、「実務者研修」といわれる講座を修了することで受験資格を取得ます。

実務経験とは介護施設や介護事業所、病院などで介護職やヘルパーとして働いた実績のことです。

働き方に規制はなく、正社員をはじめ、派遣やパートなどの経験も実務経験として認められます。

介護の仕事は資格がなくとも始められるので、まずは実際に介護の仕事を始めてみて、慣れてから資格取得を目指すことも可能です。

実務経験ルートは未経験から介護職を目指す方、働きながら資格を取りたい方、資格取得の費用を抑えたい方などにおすすめの方法です。

養成施設ルート

養成施設ルートでは、福祉系の専門学校などの養成施設を卒業した後に、受験資格を取得できます。

養成施設の入学資格は高卒以上となっています。

養成施設に通う期間は卒業した学校によって異なります。

一般の高校や大学を卒業した場合には2年以上養成施設に通わなければなりません。

一方、福祉系に大学や社会福祉・保育士の専門学校を卒業した人は1年以上養成施設に通う必要があります。

これまでの養成施設ルートでは卒業と同時に介護福祉士の資格を取得できましたが、2022年度からは資格を取るための筆記試験の合格が必要となりました。

養成施設ルートは高校卒業後に進路を考えている方、福祉業界について幅広く学びたい人、一緒に学べる仲間が欲しい方などにおすすめの方法です。

福祉系高校ルート

福祉系高校ルートでは、福祉科や介護福祉コースなどのある高校や特例高校などを卒業した後に受験資格を得ることができます。

専門学校とは異なり、介護福祉のことだけでなく、国語、数学、理科、公民などの一般科目も一緒に学ぶことができます。

高校に通いながら専門的な介護の知識が身につくため早い段階から介護福祉士として活躍できます。

福祉系高校ルートの場合は平成19年のカリキュラムの変更により、入学年次によっては筆記試験だけでなく、技術講習などを受けないと、介護福祉士の受験資格は取得できません。

福祉系高校ルートは、中学卒業後に進路を考えている方、高校卒業後すぐに資格を手に入れたい方、高校卒業後の就職を有利にしたい方などにおすすめです。

3つのルートの費用や期間は?

上記3つのルートで受験資格を入手する場合のかかる費用や期間を説明します。

実務経験ルートの費用や期間について

資格取得までかかる費用は10~20万円で期間は3年程度です。

3つの中では一番費用が安いです。

実務経験ルートの場合、学校のような入学費用や実習費用はかからないので、費用の大半は実務者研修の料金だけになります。

養成施設ルートの費用や期間について

費用は100~400万円程度で、期間は2年程度です。

受験資格をえるための期間が一番短く、福祉系の専門学校に通う場合は一般的には1850時間のカリキュラムを履修して、最短で2年で受験資格が得られます。

福祉系高校ルートの費用や期間について

かかる費用は200~400万円程度で、期間は3年程度です。

費用も効果で、期間も長期ですが、福祉介護以外の一般的な勉強も高校ですることができます。

以上を比較してみると費用が安くてお給料のもらえる実務経験ルートがおすすめです。

しかし実務経験ルートの場合「実務者研修」の修了が必須です。実務者研修とはどのようなものなのでしょうか。

実務経験ルートでは必須の実務者研修とは

実務者研修とは介護技術や認知症、医療ケアなどの介護に必要な知識や技術を学べる講座です。

2016年度から実務研修ルートでは義務付けられました。

実務者研修は様々な資格スクールなどで受講することができます。

自宅での勉強に加えてスクールで学ぶのが一般的で受講料は10~20万円が相場です。

終了までの期間は無資格の方が受講すると450時間の講座の修了が必要で、受講から6か月後に修了証が発行されます。

すでに他の介護関係の資格を持っている方は期間が短くなったり、受講料が安くなったりします。

おわりに

介護福祉士は取得するとメリットが非常に多い国家試験です。

介護福祉士の試験は年に一回で筆記試験と実務試験が必要で、合格率は毎年65%程度です。

決して難易度の高いテストではありませんが、出題範囲も広いので効率的に勉強を進めましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする