介護業界というと、ホームヘルパーや養護施設の職員など様々な方々が活躍しています。
そんな介護資格ですが、無資格でも働くことができます。
実際に無資格から働いている人はたくさんおり、初心者の状態からケアの方法などを学び、徐々に一人前の介護職員になっていきます。
しかし、給与や待遇など、無資格者より有資格者との間では、大きな差が現れます!
そこで今回は、介護福祉士のメリットや仕事内容、資格取得のコツなどをご紹介していきます。
目次
介護福祉士とは
介護福祉士とは、1987年社会福祉士及び介護福祉士法によって定められた国家資格です。
法律で定められているものは、「介護福祉士の専門知識及び技術を持って、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障があるものにつき心身の状況に応じた介護をおこない、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導をおこなうこと」を示しています。
直接介護とは、食事や排泄、入浴の補助をおこなうだけでなく、利用者や介護者の自立支援に向けて、具体的な指導や助言をおこなうことをいいます。
未経験から受験可能?
未経験から介護福祉士になることは可能です。
しかし介護福祉士資格を取得するには、実務経験が必要になてくるので、いきなり介護福祉士に
なることはできません。
介護福祉士試験を受けるためには、実務経験と介護職員実務者研修という資格を事前に取得しておく必要があります。
必要実務経験は3年以上と決まっているので、資格を取得するためには、最低でも3年かかります。
介護福祉士の取得方法
それでは、介護福祉士資格の試験範囲やカリキュラムははどのようなものなのでしょうか。
試験内容
ここ数年で試験内容は大きく変化しています。
受験資格を有する者の条件を改めて並べると、
- 3年以上介護業務をおこなった上で、実務者研修を修了した者
- 高等学校及び中等学校において、福祉に関する所定の教科の単位を修めた方
このように、資格を取得するもしくは福祉系の学校に通い、介護知識を高めることが必要とされています。
試験は、筆記試験と実技試験の2つがあり、難易度はそこまで難しいわけではないようです。
筆記試験ですが、計11科目あり、介護の基本情報はまんべんなくでている印象でした。
実技では、実際の現場を想定して介護をおこないます。
カリキュラム・受講内容
介護福祉士は取得までのルートによってカリキュラムが異なります。
養成施設から取得する場合
科目 | 時間数 |
社会福祉基礎 | 140 |
人間と社会に関する選択科目 | 140 |
介護福祉基礎 | 175 |
コミュニケーション技術 | 70 |
生活支援技術 | 350 |
介護過程 | 140 |
介護総合演習 | 105 |
介護実習 | 455 |
こころとからだの理解 | 280 |
医療的ケア | 50 |
合計時間数 | 1855 |
福祉系高校を卒業して取得する場合
教育内容 | 時間数 |
人間と尊厳と自立 | 30以上 |
人間関係とコミュニケーション | 30以上 |
社会の理解 | 60以上 |
かいごのきほんコミュニケーション技術 | 180 |
生活支援技術 | 60 |
介護過程 | 300 |
介護総合演習 | 150 |
介護実習 | 120 |
発達と老化の理解 | 400 |
認知症の理解 | 60 |
障害の理解 | 60 |
障害の理解 | 60 |
こころとからだのしくみ | 120 |
医療的ケア | 50 |
合計 | 1850 |
実務者研修修了者が取得する場合
教育内容 | 時間数 |
人間の尊厳と自立 | 5 |
社会の理解Ⅰ | 5 |
社会の理解Ⅱ | 30 |
かいごのきほんⅠ | 10 |
介護の基本Ⅱ | 20 |
コミュニケーション技術 | 20 |
生活支援技術Ⅰ | 20 |
生活支援技術Ⅱ | 30 |
介護過程Ⅰ | 20 |
介護過程Ⅱ | 25 |
介護過程Ⅲ(スクーリング) | 45 |
発達と老化の理解Ⅰ | 10 |
発達と廊下の理解Ⅱ | 20 |
認知症の理解Ⅰ | 10 |
認知症の理解Ⅱ | 20 |
障害の理解Ⅰ | 10 |
障害の理解Ⅱ | 20 |
こころとからだのしくみⅠ | 20 |
こころとからだのしくみⅡ | 60 |
医療的ケア | 50 |
合計 | 450 |
介護福祉士を取得するためには上記のカリキュラムを修了しなければなりません。
スクールごとに、国家試験の対策をしているので授業の進め方など若干異なるので、事前に確認しておきましょう。
介護福祉士の有資格者の仕事内容
仕事内容
介護福祉士の仕事内容は、利用者の介護サポートです。
その内容は、身体介護だけでなく、生活のサポート、メンタルケアと多岐に渡っています。
介護福祉士の資格を保有している場合は、介護に関わるほぼすべての業務をおこないますが、資格を持っていない場合だと、排泄やたん吸引など一部の生活補助はおこなうことができません。
身体介護 | 食事や排泄、入浴の補助など日常生活を営む上で必要不可欠な行動の介護サポートのこと。 |
生活のサポート | 料理、掃除、洗濯など日々の生活で必要な活動のサポートのこと。 |
メンタルケア | 身体が思い通りに動かない、上手くいかないことに対して、ケアし、利用者が少しでも心休まる時間を作り出すサポートのこと。 |
その他にも、職場のチームマネジメントや、後輩への指導、などチームとして上手く回るようにサポートする役回りもおこないます。
どれも人と密接に関わる仕事で、人から感謝された時、自分の頑張ったことが形になった時と、やりがいを感じる瞬間はとても多いのではないかと思います!
働くことができる場所
介護福祉士は、介護施設や老人ホーム、ホームヘルパーでの利用者宅などがあります。
場所によって仕事内容も変化しますが、利用者をサポートするという目的は変わりません!
介護福祉士を取得するメリット
日本全国どこでも通用する国家資格!
介護福祉士は、公認会計士や税理士と同じ国家資格です。
一度介護福祉士の資格を取得すれば、更新の必要もなくずっと介護福祉士として働くことができます。
国家資格であることから、介護福祉士は社会的信用のある資格です!
そして、450時間という長期間に渡る講義を受け、資格試験を勝ち抜いたという自信は、何者にも変えられません。
給与アップが見込める!
前述したとおり、国家資格であることから社会的信用があります。
その中で、無資格者に比べて給与も待遇も良いです。
実務者研修資格を取得しているので、サービス責任者として就くことも可能です。
その分、現場の職員に比べて、給与を多くもらうことができます。
管理職として働くことができる!
サービス責任者として働くことによって、現場ではなくチームマネジメントや介護給付金の管理などデスクワークも増えていきます。
利用者家族との面談やマネジメントなど、現場でのやりがいとはまた違ったやりがいを感じることができます!
その他の介護資格との違い
初任者研修
生活の一部となる「生活補助」、排泄等の「身体介護」があり、その中で比較的簡単に取得することができるものが介護職員初任者研修となります。
初任者研修は、実務者研修資格の取得や介護士資格の取得を目指す上で足がかり的な存在なため、介護業務はおこなえますが、サービス責任者などの役職に就くこと、たん吸引などの専門的な技術をしようすることはできません。
実務者研修
実務者研修との違いはあまりないように思われますが、少し違う面といえば、利用者のメンタルケアや面談など現場の介護以外にもおこなうことができる業務が多くなることです。
実務者研修を修了していればサービス責任者になることは可能ですが、それ以上のサービスをおこなうためには介護福祉士資格を取得しなければならないでしょう。
介護福祉士とケアマネージャーはどのように違う?
ケアマネージャーとは…
介護福祉士は、高齢者介護の現場で活躍し、介護現場のリーダーとして活動しています。
入浴や食事のサポートに加えて、利用者のメンタルケアと多岐にわたって活躍しています。
一方ケアマネージャーとは、高齢者福祉の分野の中で活躍する職種です。
家族との面談、サービス計画書の作成など現場よりデスクワークが中心となります。
実際に利用者と養護施設との間に立ち、入所まで上手くサポートしているなんてこともあります。
そしてケアマネージャーの受験資格には、実務経験5年以上を有していなければならず、介護福祉士の3年以上より長いのも特徴です。
資格スクールの選び方
自分に合った無理のないコースを選ぶ
介護福祉士は資格取得にとても時間がかかるものです。
休職中で時間が有り余っている人も入れば、仕事をしながら、学校に通いながらとなかなか通学できない方もいます。
このような介護資格のスクールは、通学制だけでなく、通学制+通信制といった学び方ができます。
通信制だけのものもありますが、個人的に私は通学制+通信制の講座がオススメです!
必要最低限のスクーリングで資格を取得できるので、働きながら資格を取ろうと思っている方にも人気のコースとなっています。
サポート体制は整っているか
資格を取得する上で重要になってくるのが、サポート体制です。
どんなに良い講師がいて良い授業をおこなわれていても、サポートがしっかりしていないスクールでは、学びたいとはあまり思えません。
振替制度はあるか
1つ目に、振替制度があるととても便利です。
突然の体調不良やどうにもできない都合が重なった時、無料で振替をおこなえる、振替日が豊富で自由に選択できるなど、融通が効くことは重要です。
学習面でのサポートはしっかりしているか
2つ目に、学習サポートがあるととても便利です。
わからない点があったらすぐに聞ける、質疑応答のやり方など、学ぶ人々にとってストレスのかからない環境があると、とても嬉しいですよね!
中には、24時間電話で問題点を聞けるサービスもあり、ユーザーである我々にとっては資格取得に向けて学びやすい環境が揃っています。
通いやすい場所にあるか
通学の方は、スクールが通いやすい場所にあることを判断材料に入れましょう!
どんなに実績があり、自身に合いそうなカリキュラムがあったとしても、場所が遠く通いにくいのであれば、通うことがだんだん面倒になってきます。
通うことが面倒になってしまっては、モチベーションも下がり、学習意欲も下がってしまいますよね。
近場のスクールを選べば、遠くのスクールに通うための通学時間を、勉強に充てることができます。
自宅から30分で通える場所を目安に資格スクールを探しましょう!
介護福祉士は、人気の介護資格!
介護福祉士は、高齢者介護の現場で活躍し、入浴や食事補助などの介護サービスに加え、利用者のメンタルケア、チームマネジメントなど、多岐にわたって活躍しています!
試験科目は、計11科目で受験資格を有するためには、実務者研修を修了するための450時間講座を受講しなければならず、受験まで少々時間と手間がかかってしまいます。
しかし、介護福祉士資格を取得すれば、給与もアップし、チームマネジメントなどリーダーとしてチームを支えることができる環境を得ることができます!今後看護業界でリーダーとして働いていきたいという方は、必要不可欠な資格なのではないでしょうか。
スクール選びも、「自分に合った無理のないコースを選ぶ」、「家の近くにある」、「サポート体制が整っている」というキーワードをぜひ押さえておいていただけると良いスクールに巡り会えるでしょう!
介護業界は、近年の高齢化社会により多くの人材を求めています。
今後職にも困らず、良い給与を獲得できるという点で、介護業界はオススメです!